電子ネットワーク復旧記念式典。
大小様々な機械が並びコードの張り巡らされた無骨な空間にそぐわぬ黒いミニドレスを纏った少女は、丸い碧眼でその文字をじっと見つめてから、傍らに立つ少年の顔をきょとんと見上げた。その拍子にツインテールにまとめた長いブロンドがふらりふらりと揺れる。
「……これで、日本各地で生き残ってる人たちと連絡が取れるようになるってことでいいのかなあ?」
詰襟の形をした黒い戦闘服に身を包んだ彼は、無表情のまま「いや」とほんの数ミリかぶりを振る。
「その可能性が生じるというだけだ。このスカイタワーがカバーできる範囲は精々関東一円。生きている中継基地局があれば多少は広がるが、望み薄だろうな」
「その上さあ」
溜息混じりの声が背後から割り込み、それに二人は揃って振り向いた。
「まずはこっちから呼び掛けるってハナシだけど……普通に考えて、今更スマホだのテレビだのラジオだのを握りしめてそれを待ってる人なんて、都合よくいるワケないじゃん? なにしろ――」
声の主、セーラー服を纏った少女は長い黒髪をなびかせて窓の外へと向き直った。かつては日本一高い展望室として賑わっていた窓には、灰色の街が見渡す限りに広がっている。
「――世界がほとんど滅びて、もう一年になるんだから」
大小様々な機械が並びコードの張り巡らされた無骨な空間にそぐわぬ黒いミニドレスを纏った少女は、丸い碧眼でその文字をじっと見つめてから、傍らに立つ少年の顔をきょとんと見上げた。その拍子にツインテールにまとめた長いブロンドがふらりふらりと揺れる。
「……これで、日本各地で生き残ってる人たちと連絡が取れるようになるってことでいいのかなあ?」
詰襟の形をした黒い戦闘服に身を包んだ彼は、無表情のまま「いや」とほんの数ミリかぶりを振る。
「その可能性が生じるというだけだ。このスカイタワーがカバーできる範囲は精々関東一円。生きている中継基地局があれば多少は広がるが、望み薄だろうな」
「その上さあ」
溜息混じりの声が背後から割り込み、それに二人は揃って振り向いた。
「まずはこっちから呼び掛けるってハナシだけど……普通に考えて、今更スマホだのテレビだのラジオだのを握りしめてそれを待ってる人なんて、都合よくいるワケないじゃん? なにしろ――」
声の主、セーラー服を纏った少女は長い黒髪をなびかせて窓の外へと向き直った。かつては日本一高い展望室として賑わっていた窓には、灰色の街が見渡す限りに広がっている。
「――世界がほとんど滅びて、もう一年になるんだから」
…ということで、本シリーズはPSP/PSVita「セブンスドラゴン2020-Ⅱ」のノベライズ風二次創作です。 前編にあたる「2020」を含め、原作を知らなくてもこれだけで読めるようになるべく心掛けています。 逆に言えばネタバレのオンパレードですので、興味を持ってくださった方は一旦読むのやめていただいて、是非先に原作をプレイいただけると嬉しいです!(シリーズは4作あり、プレイ順は「2020→2020-Ⅱ→無印→Ⅲ」もしくは発売順の「無印→2020→2020-Ⅱ→Ⅲ」がオススメです) また、2020のノベライズ風二次創作は完結済み、同人誌化しております。( https://shimotsuki-tks.booth.pm/items/4177011 )なるべく、こちらも読まなくても理解できるように書きます。アニメの2期から入るくらいの感じで(本当に大丈夫か?)。