盾と盾
「……。……怒っている……よな?」 ふと二人きりになった病室で。 なんとなく気まずい苦さを含んだ沈黙が落ち、ベッドに上半身を起こした格好のジムノは恐る恐るそう問うた。
ハチミツとマリーゴールド
「……おねえ、ちゃん」 ふと聞こえた、か細い寝言。ルエリシアは荷物を整理していた手をぴたりと止めると、そっとベッドを覗き込んだ。
褪せた錘
「おーい、ちょっとそこの」 人通りが多いとはいえないムラクモ用居住区の廊下でふと聞こえた声に、ルエリシアとジムノは揃って振り向いた。
愛のことば
「そーいや、最近どうなのよ?」 なんの脈絡もなく問われ、ルエリシアはきょとんと首を傾げる。どう、とは?